標準偏差

FP試験のC分野 金融資産運用 では 標準偏差 という言葉が頻繁に出てきます。
標準偏差とは、集団の得点の散らばり具合を表す数値のことです。集団にいる個人個人が取った得点のバラつきが大きいほど、標準偏差も高くなります。
投資を行う時、ある企業1社に全財産を投資するようなスタイルもあり得ますが、投資家の多くは分散投資をして、運用で資金を増やそうと(減らさないようにしようと)していると思います。
投資対象としては、安全資産(公社債・銀行預金)からリスク資産(株式、デリバティブ商品)などあり、目標とするリターンに応じてそれぞれの対象を選んで投資をされています。
あくまで参考ですが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という、我々が支払っている年金の資金を管理・運用している期間があり、
以前、聞いた話で最新情報ではないかもしれませんが、投資先を4等分にして
4分の1を日本の債券、
4分の1を日本の株式
4分の1を海外の債券、
4分の1を海外の株式
に分散投資していると聞いたことがあります。
2024年12月時点のGPIFのHP(https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html)で確認すると。
2001年以降の累積収益
収益率:+4.26%(年額)、収益額:+153.6兆円 とあります。
これまでは、なるべく広範囲で分散投資をすれば、一定のリターンを受けることができていた。ということを表していると思います。
とはいえ、今後も同じロジックが通用するという保障はありませんが、
先人の成功例を、なるべく論理的に理解し、見習って実行することが投資を成功への近道であるような気がします。
このタイトルである標準偏差とはかけ離れた前置きになったかもしれませんが、
強引に話を進めると、標準偏差に関する問題が、かなりの頻度で出題されているので、
これも直近の出題から遡る形で、紹介したいと思います。
出所:金融財政事情研究会
2024年9月8日 問55

これは問題文の該当箇所と一般社団法人 金融財政事情研究会の模範解答をそのまま掲載しています。
アレンジした解説より、そのままの方が理解しやすいと思ったからです。
①のシャープレシオは実績収益率から安全資産利子率を引き、その値を標準偏差で割ったものが答えとなります。
②の標準偏差を求める公式は覚える必要があります。
そして、公式で求められた数値は“分散”であり、この“平方根”が標準偏差ということも忘れないようにしなければいけません。
この問題を解くために、電卓の√ボタンがついていると思っていいと思います。

この回の出題は、初めての形であり、受験をしたときは、正直わからなくて、あきらめました。(恥)
試験本番では、舞い上がってしまい、特に得点源だと考えている得意分野で、まったくわからないと、心が折れて、集中力が途切れてしまいます。
けれど、試験で問われることは、見慣れないものであっても、問題文が読み取れ、意味がなんとなくでもわかれば、推測くらいはできます。
この推測する力を持つためにも、過去問の演習を怠らない必要があると思います。
①標準偏差を計算して求めるという、ちょっとひねった出題でした。
結論を見れば、4期分の実績収益率を平均すればした値と1~4期の実績収益率との差を2乗したものを4で割ってルートをすれば求められる。
というものでしたが、この回の正解率は低かったのではないかと思います。
つまり 再度、出題される可能性が十分ある問題だと思います。
②①が正しく求められれば、②は公式に当てはめて、比較的、求めやすかったのではないかと思います。
しかし、当たり前ですが、①の値が違っていれば、当然、②も間違うという、受験生にとっては歯がゆい問題です。

①共分散を求める問題です。
共分散と相関係数の関係ですが以下の式で表されます。

なお相関係数は -1≦相関係数≦1 の範囲で表され、
1に近いほど、同じように動き
-1に近いほど、反対の動きをし、
0であれば、相関関係が無い とされます。
②2024年1月28日 問55と考え方は同じです。公式を正確に覚えるようにしましょう。

標準偏差って大学の統計学の授業で見た覚えがあるけど、意味はよくわかってなかったな。まさか、それが株式投資の世界で使われてるなんて意外だよ。

ちなみに学生時代に偏差値という言葉をよく聞いたと思うけど
偏差値は「偏差値=(得点-平均点)÷標準偏差×10+50」という公式で求められるよ。
統計学でも、なるべく多くの母集団から導ける答えが正解に近くなるという考え方があったと思うけど、投資の世界は、これに当てはまるのかもしれないね。