経営分析
私が、得意分野としていたのが、金融(C分野)です。
ここでは実務で使用するというより、試験を突破することに主眼をおいた解説をしたいと思います。
決算書には貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F)があり、これらの内訳だったり、組み合わせで経営分析行われます。
代表的な指標は、東洋経済社の会社四季報に載っているROE、ROA、配当性向などですが、まず、考えやすいように私が覚えた簡単な順番で説明したいと思います。
1. 損益計算書で算出する指標
売上総利益率…売上総利益÷売上高×100
営業利益率…営業利益÷売上高×100
経常利益率…経常利益÷売上高×100
(税引き後)利益率=税引き後利益÷売上高×100%
これは、損益計算をする上で、上から順番に求められる利益を売上高で割って計算し
たもので%で表記されます。
当然ながら基本的には、下にいくほど、数字が小さくなります。
損益分岐点=固定費÷限界利益率
※限界利益率…限界利益÷売上高、限界利益…売上-変動費
損益分岐点比率(%)…損益分岐点売上高÷実際の売上高×100
2. 貸借対照表で算出する指標
自己資本比率=自己資本÷総資産(総資本)
流動比率…流動資産÷流動負債✕100
当座比率…当座資産÷流動負債✕100
固定比率…固定資産÷自己資本✕100
固定長期適合率…固定資産÷(固定負債+自己資本)✕100
3.B/S、P/L両方使う指標
総資本回転率…売上高÷総資産(総資本)
ROE(自己資本利益率)…当期純利益÷自己資本×100
ROA(総資産利益率)…当期純利益÷総資本×100
4.株価を使う指標
配当性向…配当金=当期純利益×100・・これは株価は関係なくとも算出できます。
配当利回り=1株当たり配当金÷株価
PER(株価収益率)…株価÷EPS(1株あたり利益)
EPS(1株あたり利益)…当期純利益÷発行済株式総数
PBR(株価純資産倍率)…株価÷BPS(1株あたり純資産)
BPS(1株あたり純資産)…純資産÷発行済株式総数
イールドスプレッド(%) = 株式益回り※ – 国債利回り
※株式益回りはPERの逆数
5.過去問でよく見る指標
インスタントカバレッジレシオ
=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷(支払利息)
ただし、持分法による投資利益、為替差益、社債利息などが営業外収益・費用に含まれていることがあるので、注意が必要です。
参考までに、よく出題される
使用総資本事業利益率(ROA)はこの分母を総資産に入れ替えたものです。
サスティナブル成長率=ROE÷内部留保率(1-配当性向)
これも頻出の問題です。
配当性向は配当金を税引き後利益で割った数値になるので、決算書を見慣れるとすぐに計算できるようになります。
いくつか代表的な指標を取り上げました。毎回、このうちのいくつかが出題され、形を変えた出題のされ方もあるので、できれば頭の中で変換できるようにしておくと、役に立つかもしれません。
実際に経営分析を仕事にしている方にとっては、甘い説明かもしれませんが、ご容赦ください。
経営指標は経理をしてたことあるから、ある程度はわかるよ
株式投資もしたことあるから、ROE、ROA、配当性向も見たことある。
金融資産運用も得意な方と苦手な方が分かれる分野だよね。
経理をしたことがあって、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)が頭に入ってる人は強いかもね。
売上総利益、営業利益、経常利益など、どれが何を意味するのか混乱するもんね。
上場企業は約3500社もあり、決算書も公表されてます。
興味のある会社だけでも、ホームページで決算書を覗いてみるといいかもね。
加えて、ただ眺めているだけでなく、イメージを持ちながら見るといいよ。
例えば、同じような業種なのにA社は営業利益率50%なのに、B社は5%だったとすれば原因があるはずだよ。