老齢年金
FP試験では、必ず年金の問題が出題されます。
これは、受給要件や実際に給付される際の計算問題、他の制度との組み合わせや併給される際の調整など、ありとあらゆる角度からの出題が想定されます。
ここでは私が覚えた順と2024年現在の制度を考慮して解説します。
しかし、私のように数年、受験を繰り返した身としては、毎年のように老齢基礎年金の満額は改定されるし、在職老齢年金のルールは変わるし、
特別支給の老齢年金が対象となるか否か判断しなければならないし、
非常に苦しめられた分野です。
また、令和5年からマクロ経済スライドだかなんだか知らないが、68歳以上の年金額が変わるという事態になっており、受験生を悩ませています。
これに関しては、改めて、記事にしたいと思いますが、先ずは基本形の年金から始めたいと思います。
年金はひとり一年金しか受け取れませんが、
老齢基礎年金と老齢厚生年金
障害基礎年金と障害厚生年金
遺族基礎年金と遺族厚生年金
など同種である場合、基礎年金と厚生年金を受けることができます。
また、違う種類の年金でも併給できるパターンがありますが、話がそれるので、その併給パターンの説明は後に回します。
ここでは、同種で受け取れるパターン(基礎年金+厚生年金)を先に説明します。
国民年金は20歳から60歳の40年間納付することになっています。
よって40年間=480ヵ月 収めるのが基本となっています。
2024年(令和6年)の満額は816,000円※となっています。
ただし、中には大学生のときには納付していないパターンなどがあり、必ずしも満額が受け取れないパターンが出題されることが多いです。
基礎年金でややこしいのが、保険料免除・納付猶予制度です
これは保険料を納付するのが厳しい場合、一定の審査を経て保険料が免除されるというものです。
免除の種類には①全額免除②4分の3免除③半額免除④4分の1免除 と4段階に分かれており、しかも平成21年3月をさかいに年金額が変わります。
「ちなみに平成21年は西暦だと2009年です。FP試験に限ったことじゃないかもしれませんが、和暦と西暦が混在して出題されることがあるので、私はいつも混乱してました。
和暦で覚えているのに。登場人物の生年月日が西暦標記・・・といった具合に」
平成21年4月以降
平成21年3月以前
老齢厚生年金
老齢厚生年金は、報酬比例部分+経過的加算額+※加給年金額(振替加算額)
※加給年金額(振替加算額)は姉さん女房の場合や、配偶者が厚生年金加入期間が20年以上あるなど、支給対象外となる場合もあるので注意が必要です。
報酬比例部分
計算式を記載しましたが、この日本語を覚えるよりも、過去問に与えられている数字でなれる方が早いと思います。
総報酬制導入前と後で別々の分数が与えられており、最初はとまどいますが、
これは2003年(平成15年)3月までは、月額の給与で標準報酬月額を基に算出されていたのに対して、2003年4月からは、月額の給与に賞与を加味した標準報酬額を基に算出するようになったからです。
本番で計算する際に意識する必要はありませんが、将来的に知識問題で問われる場面があるかもしれませんので、知っておくといいかもしれません。
経過的加算額
経過的加算は、20歳未満や60歳以降に厚生年金保険に加入していた場合に、老齢厚生年金に上乗せして支払われる金額と理解していますが、私は、この計算の端数処理でミスをしていました。
この計算で引く金額は、老齢基礎年金の額だと考えていいと思いますが、たまに端数処理で1円の誤差が出ることがあるので注意が必要です。
計算式が多く、とっつきにくい内容だと思いますが、年金の攻略法はとにかく過去問を多くこなすことだと思います。
過去問をやると、基礎年金の満額が毎年のように変わっていてうんざりするかもしれませんが、解き方の手順は変わりませんので、自分に合った解き方を見つけるまで、繰り返すことをお勧めします。
老齢基礎年金の額は毎年、変わるので覚えるのに苦労するんだよね。
また、5月試験の場合、「前年の10月1日の法令に基づいて解答しなさい」と注意書きがあるので、混乱したよ。
老齢基礎年金の満額は毎年、改定されているね。令和以降の満額を記載するね。
平成30年度 779,300円
令和元年度 780,100円
令和2年度 781,700円
令和3年度 780,900円
令和4年度 777,800円
令和5年度 67歳以下の人 795,000円
68歳以上の人 792,600円
令和6年度 67歳以下の人 816,000円
68歳以上の人 813,700円
これは、マクロ経済スライドによって決められているみたいだけど、
その辺りは、説明できるようにまとめて記事にするね。