遺族年金
応用編のライフプランニングの分野で、老齢年金と同様に計算問題がよく出題されています。
日本は高齢化社会であり、2,024年7月26日に厚生労働省が発表した「令和5年簡易生命表の概要」によると、2023年の平均寿命は、男性81.09年、女性87.14年
全体的に見れば、老齢年金に比べると申請する方が少ないといえるかもしれませんが、
FP1級試験では頻出です。
FP試験全体にいえることですが、適度な感情移入をして問題に取り組むことをお勧めします。
私は受験生時代、
「大切な方を亡くされて、残された遺族が生活するのにどれくらい資金が必要なのか、遺族年金はどれくらい必要な生活費を賄えているのか。」など意識の片隅において問題文を読むことを心がけていました。
遺族年金で意識しなければいけないのが、「子とは18歳になった年度の3月31日までにある方」、ということ。
多くの受験生が間違えやすい点だと思います。例えば、大学生の子と高校生の子がいた場合、子はひとりとカウントする、など。
遺族基礎年金が受けられるのは「子のある配偶者または子」となっています。
たいてい、FP1級試験では、設問に記載されており、基礎年金を求めることが問われていれば、対象になると思いますが、基礎編で対象となるかを問われた時に答えられるようにしておくことが必要だと思います。
遺族厚生年金
受給対象者は、①子のある配偶者、②子、③子のない配偶者、④父母、⑤孫、⑥祖父母
であり基礎年金より支給される範囲は広いですが、FP試験では①か③のパターンでの出題がよく見られると思います。
これは、FP試験で遺族年金が出題される時は、毎回、出題されると思います。
ここで注意する点は、亡くなった際に被相続人が会社員(厚生年金加入者)か自営業者(元厚生年金加入者)かどうかということを読み取ることだと思います。
また、会社員から自営業者になった場合もあるので、注意が必要です。
年金額は
①遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。
②報酬比例部分の計算において、厚生年金の被保険者期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。
③65歳以上で残された配偶者自身の老齢厚生年金を受け取る権利がある方の場合
a.自分の老齢厚生年金
b.遺族厚生年金の3分の2と自分の厚生年金の2分の1の場合、
実際には、b-aの金額が調整されて、受け取れます。
死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額と自身の老齢厚生(退職共済)年金の額の2分の1の額を合算した額」を比較し、高い方の額が遺族厚生年金の額となります。
中高齢寡婦加算
遺族厚生年金の加算給付の1つです。遺族基礎年金は子どものいない妻には支給されません。夫が死亡したときに40歳以上で子のない妻が受ける遺族厚生年金には、40歳から65歳になるまでの間、中高齢の寡婦加算(定額)が加算されます。妻が65歳になると自分の老齢基礎年金が受けられるため、中高齢の寡婦加算はなくなります。
寡婦年金
国民年金の第1号被保険者として10年以上ある夫が亡くなったときに、10年以上婚姻期間のある妻が60歳から65歳まで受け取れる年金です。年金額は夫の第1号被保険者期間だけで計算したの基礎年金額の4分の3の額です。
厚生労働省HPを見ると「男女差の解消に伴う中高齢寡婦加算及び寡婦年金の段階的廃止」なんかも掲載されているので、近々、改正が行われるかもしれないね。
FP試験では法改正は狙われやすいと思うから、ひょっとしたら、ここ数回、遺族年金が狙われるかもしれないね~いずれにせよ、動向に注目する必要があると思うよ。