遺留分に関する民法の特例 過去問

固定合意、除外合意って、どういう意味があるのか最初はわかりにくいですが、顧客や従業員のために会社を存続させるため、経営者が会社を防衛するために必要な手段です。
経営者にとって、全財産において、会社の割合が大半を占めるということが珍しくないろうだからね。
また、基礎編の最終問題になることも多いので、悔いの残らないフィニッシュをして、気分良く午後の応用編を迎えたいね。
これまで同様、直近から過去に遡りながら、過去の問題と、私なりの説明をしていきたいと思います。
なお、問題は全て、出所:一般社団法人 金融財政事情研究会1級 学科試験<基礎編>となっております。
2024年9月8日 問50
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1) 本特例の対象となる特例中小会社は、資本金の額または常時使用する従業員の数について業種に応じた基準を満たし、かつ、5年以上継続して事業を行っている非上場会社に限られる。 2) 本特例の適用を受けるためには、本特例の適用に係る合意をした日から1カ月以内に経済産業大臣の確認を申請し、当該確認を受けた日から1カ月以内にした申立てにより家庭裁判所の許可を受ける必要があるが、その申請および申立ては、後継者が単独で行うことができる。 3) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について除外合意をする際に、併せて、後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式以外の財産の価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入しない旨の定めをする場合、その定めの対象となる財産は、特例中小会社の事業に係る不動産および減価償却資産に限られる。 4) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について固定合意をする場合、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき当該非上場株式の価額は、原則として、贈与時点における相続税評価額とされる。 |
正解2

固定合意、除外合意は必要な措置かもしれないけど、手続きするためのハードルが高そうだね。家族が円満でないといけないね。

1)5年ではなく3年以上継続して事業を行っているが正しいね。
2)これが正しいね、1か月以内に経済産業大臣、その後、1か月以内に家庭裁判所は暗記しよう。
3)前半部分の説明は付随合意に関するものだね。ただし不動産および減価償却資産に限らないよ。
4)固定合意の価格は弁護士、公認会計士、税理士に算定してもらう必要があるよ。
よって正解は2)
2024年1月28日 問50
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1) 本特例の対象となる後継者は、旧代表者の推定相続人のうち、旧代表者から贈与により非上場株式を取得したことにより特例中小会社の総株主の議決権の過半数を有し、かつ、合意時点において当該特例中小会社の代表者である者に限られる。 2) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について除外合意と固定合意の双方またはいずれか一方の合意をする場合、旧代表者の推定相続人全員で合意をし、公正証書によりその旨を定めた合意書を作成しなければならない。 3) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について固定合意をする場合、併せて、後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式以外の財産について、遺留分を算定するための財産の価額に算入しない旨の定めをすることができる。 4) 本特例の合意は、後継者が合意をした日から1カ月以内に家庭裁判所の確認を申し立て、当該確認を受けた日から1カ月以内にした申請により、経済産業大臣の許可を受けることによって、その効力を生ずる。 |
正解3
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1) 本特例の対象となる後継者は、旧代表者の推定相続人のうち、旧代表者から贈与により非上場株式を取得したことにより特例中小会社の総株主の議決権の過半数を有し、かつ、合意時点において当該特例中小会社の代表者である者に限られる。 2) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について除外合意と固定合意の双方またはいずれか一方の合意をする場合、旧代表者の推定相続人全員で合意をし、公正証書によりその旨を定めた合意書を作成しなければならない。 3) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について固定合意をする場合、併せて、後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式以外の財産について、遺留分を算定するための財産の価額に算入しない旨の定めをすることができる。 4) 本特例の合意は、後継者が合意をした日から1カ月以内に家庭裁判所の確認を申し立て、当該確認を受けた日から1カ月以内にした申請により、経済産業大臣の許可を受けることによって、その効力を生ずる。 |

後々、親族間でもめて従業員やお客様が困らないように、ということと、相続人がなるべく公平に遺産分割を行えるように、と考えてできた制度なんだね。でも手続きは大変だ。

1)この特例が使えるのは、旧代表者の推定相続人に限定されないよ。親族以外が後継者になることだってあるもんね。
2)合意書を作成しなければならないけど、公正証書である必要はないね。
3)難しいけど、これが正解だね。遺留分算定基礎財産に株式以外も含めないことができるという内容だね。
4)経済産業大臣と家庭裁判所の順番が逆だね。
よって正解は3)
2022年5月22日 問49
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律による「遺留分に関する民法の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1) 本特例の対象となる特例中小会社は、資本金の額が3,000万円以下、かつ、3年以上継続して事業を行っている非上場会社に限られる。 2) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について固定合意をする場合、当該合意の時における当該株式の価額は、合意時点の相続税評価額ではなく、弁護士、公認会計士、税理士等が相当な価額として証明をしたものになる。 3) 後継者が旧代表者から贈与を受けた非上場株式について本特例の適用を受けるためには、旧代表者の遺留分を有する推定相続人全員および後継者で合意をし、所定の事項を記載した合意書面を作成しなければならない。 4) 本特例の合意は、後継者が合意をした日から1カ月以内に経済産業大臣の確認を申請し、当該確認を受けた日から1カ月以内にした申立てにより、家庭裁判所の許可を受けることによって、その効力を生ずる。 |
正解1

当たり前だけど、会社の価値を算定するのって、なかなか大変な作業だよね。

1)3年以上継続して事業を行っている。は正しいけど、資本金の額が3,000万円以下という条件は無いよ。よってこれが不適切。
2)これは正しいね。この特例と弁護士、公認会計士、税理士はセットで覚えたいね。
3)これは正しいね。「旧代表者の遺留分を有する推定相続人全員および後継者で合意をし」というのが場合によってはハードル高いね。
4)これは暗唱マストな項目だね。