類似業種批准法
相続・事業承継分野で必ずといっていいほど出題されるのが、類似業種批准法の計算問題です。
私は最初、見たとき「こんな計算式の問題、間違えずに回答できるのだろうか」
というか、そもそもこんな計算、何に使うのだろう?」と疑問を持ちました。
しかし、応用編ではほぼ毎回出題されているので、習得することが必須だということはわかったため、攻略のために過去問を解き、最後には得意になりました。
後に、きんざいの実技試験を勉強し始めてから、この式を使う場面が出てきて、株価を低く抑える意味を知ってから、学習に力が入りました。
私がFP学習の際に、見て影響を受けたユーチューバーの方が話しておられた言葉で、「手が勝手に動くよう繰り返し解く」というのがあり、まさしく私にとっては、この言葉がぴったりくる問題でもありました。
しかし、特に勉強し始めた方にとっては、心が折れる問題だと思いますので、私なりに攻略法を解説したいと思います。
1.類似業種批准方式
※1 類似業種の株価は設問に与えられていますが、当月、前月、前々月、前年の平均、2年間の平均から最安の株価
ひっかけで前々の株価が記載されていて、それが最安値だったりするので要注意です。
※2 自社配当の金額ですが、2期分の平均で求めます。
※3 自社利益は直近の利益か過去2期分の利益の平均の利益のうち低い方を使用できます。
※4 純資産については、これまでは設問に与えられていました。
※5 斟酌率というのは、自社の規模に応じて、中会社の大0.7、中06、小0.5という乗数をかけて求めます。
※6 設問に資本金と株式数が与えられていますので、求まます。過去問では500円となることが多いですが、50円となったこともあります。
2.純資産価額方式
科 目 | 相続税評価額 | 帳簿価額 | 科 目 | 相続税評価額 | 帳簿価額 | ||
流動資産 | |||||||
固定資産 | |||||||
合 計 | A | B | C | D |
A - C = ①
B - D = ②
① - ② = ③
① -③×37%=④
① - ④ = ⑤
⑤ ÷ 発行済み株式数 = 純資産価額
3.類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式による価額
FP試験では中会社が出題されることが多いですが、これは、併用方式が認められているため、ちょっと複雑な計算をしなければならないからだと思います。
併用方式による価額=類似業種比準価額×L+純資産価額×(1-L)
中会社の大 L=0.90
中会社の中 L=0.75
中会社の小 L=0.60
ちなみに、小会社 L=0.50
くどいようですが、
中会社の大 : 類似業種比準価額×0.90+純資産価額×0.10
中会社の中 : 類似業種比準価額×0.75+純資産価額×0.25
中会社の大 : 類似業種比準価額×0.60+純資産価額×0.40
小会社 : 類似業種比準価額×0.50+純資産価額×0.50
実際の計算では 類似業種批准方式<純資産価額 となることが多く、併用方式を用いることで株価を低く抑える効果があるように思います。
以上ですが、類似業種批准法の問題は定番中の定番なので、落とさないように過去問を繰り返し解くことをお勧めします。