不動産 難問 2022年1月23日 問60 問61 問62

FP1級学科試験の受験生の多くは金融機関にお勤めの方や、公務員など金融や不動産の知識レベルが高い方がたくさんいらっしゃる試験です。
その受験生の合格率が通常10%前後という内容ですから、相当難しい試験です。その中でも合格率10%を下回る会があり、今回、紹介する2022年1月の試験もそうでした。
この回が難しかったのは、それまでの問題から出題傾向が大きく変わったことがあげられると思います。
私は、この試験を受験しなかったのですが、ホームページに掲載された内容を見て、驚きました。最初の印象は「こんなの解けるはずない」というものでした。
しかし、その後、実技試験を受験し始めて、「実はこの2022年1月23日の問題はよく考えられた良問じゃないか?」と考えるようになりました。
実際に実技試験Part2を解くうえで、参考になる問題だと感じたこと。裏を返せば、私が苦手としていた不動産分野攻略に実技試験Part2の過去問を多く読み、解説されているHPを見ることが対策になるという考えに至りました。
実技試験の過去問を見ていて驚いたのは、一般社団法人金融財政事情研究会2021年6月5日実技試験のPart2の問題に登場する平面図がほぼ同じということです。
可能な方はご確認ください。
この問題の平面図だけですが、転載します。出所:一般社団法人金融財政事情研究所
2021年6月5日実技試験のPart2

という話はいったん置いておいて、これまでは穴埋め問題を飛ばして、計算問題と解答を紹介してきましたが、今回は穴埋め問題も含めて紹介します。この回は、穴埋めも計算結果を記載する内容が頻発していたことと、穴埋め=用語=各1点 という常識が覆されたという気がします。
2022年1月23日 問60


これまで穴埋め問題というと文脈から用語を思い出して当てはめる問題が多かったですが、今回は5問のうち、3問は計算問題でした。
こういう出題を想定していた方にとっては対策できたでしょうが、ほとんどの受験生が困惑したような気がします。
しかしFPとして不動産売買に関与する機会がある方は、こういう知識を頭に入れた上で、顧客にアドバイスをすることが求められると思います。
2022年1月23日 問61

通常、不動産分野は建蔽率・容積率を求める問題が定番でしたが、私が知る限り、容積率だけ求める問題が出題されました。
しかも、2つの土地を一体利用した場合に容積率がどうなるのか?という大変実務的といえる問題でした。
現実的には、こういう考えに基づいて土地開発は行われているんだろうな、と感じさせてくれる問題でした。冒頭でも述べましたが2021年6月5日実技試験のPart2でも同じような平面図を基に相談を受けるという場面が想定されており、実務に近い問題であることがわかります。
2022年1月23日 問62


この問題もちょっと特殊で、普段は計算過程を記載する問題がズバリ結果の数字だけ記載する穴埋め問題として出題されました。
計算過程を記載する問題であれば、正解している箇所の部分点が期待できるのですが、結果だけの記載だと、それも期待できず、ある意味、残酷な問題でした。
しかし立体買替えの特例の取得費、取得日を引き継ぐかの問題は実技試験で問われる論点であり、次につながる問題だと思いました。
総括すると、この回に当たった受験生については、つらかったと思いますが、FP技能士の専門知識を活かす方向性を提案してくれる問題ではなかったかと思います。
試験合格を目指す方にとっては、必ず見直して、解いてみて欲しい問題でした。