不動産の購入・売却

一般社団法人金融財政事情研究会(以下、きんざいという)の実技試験のPart2では、不動産の購入や売却について相談される場面があります。場合によっては相続や贈与もありますが。
FPが不動産についてアドバイスする際に、念頭に置いておく点について説明します。
1.現地確認(外観、近隣状況、住人)
土地・道路や交通量などの物理的状況を、実際に現地で確認すること。
先ずは、現地を確認しないとわからないことがあります。
清閑な住宅街だと思っていたら、横の道路が通勤経路になっていて、思わぬ渋滞が発生したり、夜間に街灯が無く、出歩くのが怖いと思う場所であったり、
何しろ、現地に行って初めて気づくことは意外に多いです。
2.権利関係
法務局で登記事項証明書や14条地図を請求し、土地の権利状況等を確認すること。
・登記事項証明書(表題部) 所在、地目、地積など
(権利部:甲区) 所有権などの情報
(権利部:乙区) 抵当権、地上権などの情報
基礎編では、権利部の抵当権は乙区に記載されますが、差押えは甲区に記載されますので注意が必要です。
・地図(不動産登記法の14条に規定)
国土調査法に基づき、自治体職員が行った地積調査によって作成されているもの。
土地の境界、面積、距離、形状、位置を正確に記されています。
3.法令上の制限として
土地の有効活用を考える上で、用途地域を確認することは必須だと考えられます。
用途地域その2でも記載しましたが、用途地域ごとに建設できる建物には制約があり、これを正確に把握しないと、希望通りの土地活用ができないからです。
このため、自治体の都市計画課等で、用途地域・都市計画等を確認し、今後の開発予定や周辺環境の変化などを把握することが必要になります。
4.市場調査として
周辺の取引事例を、地元の不動産業者等で確認します。
土地ごとに公示価格、基準地価、路線価は市区町村役場や税務署に行けば知ることはできますが、実際の取引は地価通りに行われているとは限りません。
近隣の不動産屋を訪ねて、実際に取引されている価格を確認するのが有効だと思います。
また、最寄りに駅やバス停があるかどうか、小売業やサービス業を出店予定だとすれば、競合の店舗やサービスの存在にも気をつかう必要があります。
5.インフラの確認
実際には市場調査の一環ともいえますが、上下水道の整備状況、電気を引くのにかかるコスト、インターネットや携帯電話がストレスなく使用できるかなども考慮する必要があると思います。
これは、都市部で生活されている方は意識しないかもしれませんが、
意外と地方では、携帯電話、インターネットがつながりにくい場所が存在するものです。
6.特例の確認
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
居住用財産の買換えの特例
相続空き家の譲渡所得3000万円特別控除
など、居住用財産には様々な特例があります。実際に該当する可能性があるかどうか確認しながら、提案することが必要だと思います。
ただし、適用できないのに相手に期待を持たせるのは無責任ですので、提案する際は、しっかり調査の上、発言するように注意が必要です。
不動産の確認はデータを負うことも重要ですが、足で稼ぐ部分も大きいと思います。

確かに、普段生活をしてて、「ここに飲食店があったら便利だな~」「ここにこんなお店があったら流行るだろうな~」
とか思うことあるもんね。

事業をする基本は自分の欲しいものを相手に提供することだよね。その気持ちはテーマに関わらず意識していないといけないね