遺族年金 過去問

応用編の冒頭、ライフプランニングの出題の多くは問53、最初の山場である年金の計算問題が出題されます。
今回から年金の過去問について、私なりの解説をしますが、
何しろ、年金の過去問解説は難しい、、
皆さん、ご存じのように基礎年金の満額は毎年、改定されていて、過去問を見ると、現在の基礎年金の額と異なるため、受験生を逆に混乱させることになりかねないからです。
年金の満額だけではなく、在職老齢年金の制度についても改定が続いているので、わずか数年前の問題を解いても、頭をひねる状態だと思います。
唯一、2025年1月試験、5月試験では現在の基礎年金の満額816,000円で出題されると思うので、1月、5月の受験生は、この816,000円というのをしっかり覚えることをお勧めします。
今回は遺族年金の出題ですが、これについても厚生労働省資料によると
「20代から50代に死別した子のない配偶者の遺族厚生年金における男女差解消と有期給付化拡大」
「男女差の解消に伴う中高齢寡婦加算及び寡婦年金の段階的廃止」
などが議論されており、FP試験でも、かなりの高確率で出題されることが予想されます。
話を本題に戻すと、このブログは閲覧されている受験生の学習の参考となる知識の提供が目的ですので、私なりの解説をしていきたいと思います。
遺族年金の説明については、こちらの記事もご覧ください。
2024年9月8日 問53


出所:2024年9月8日金融財政事情研究会 FP1級学科試験〈応用編〉
参考までに、この問題を解くのに必要な知識を日本年金機構のHPから紹介します。

出所:日本年金機構「2つ以上の年金を受け取れる方へ 受け取る年金を選択する手続きのご案内」
この問題は唯一、現在の年金額になってからの出題です、
遺族厚生年金の計算問題ですが、遺族基礎年金は?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、
遺族基礎年金の受給権者は、「子のある配偶者または子」ですので、この設問に子が登場しない以上考慮することはできません。
もっとも2人とも65歳ということは、子がいても18歳以上で独立していると考えるのが自然かもしれません。
よって遺族厚生年金の計算を行います。
ちなみに、
「大学生であった期間(31月)は国民年金に任意加入していない。」という問題文の記載は、老齢基礎年金を計算する際には重要ですが、今回は考慮する必要はありません。
また、Aさん(本人)とBさん(妻)の生年月日を見て、姉さん女房だった時、Aさんが65歳の時、すでにBさんも年金の受給権があるので、中高齢寡婦加算も算定することができません。
模範解答を見ながらの説明ですが、
前半は厚生年金の計算と同じなので、正解する方が多いと思います。この金額に3/4をかけるのも間違わないと思います。
若くして亡くなった方の事例では、長期要件か短期要件か見極めて、短期要件であったら300月のみなし計算をするパターンもありますが、今回は、その計算も必要ありません。
ただし、既に妻Bさんが年金を受給されているため、
調整が必要になります。
遺族厚生年金の計算

①遺族厚生年金の計算を式に当てはめて計算します。
②遺族厚生年金の計算で求めた金額と、Bさんの老齢厚生年金の調整額を求めます。
①、②の内、大きい金額から、Bさんの老齢厚生年金の額を引いた額が
支給停止分を控除された後の額となります。

年金の計算は難しくて、年金事務所にお任せになっちゃうもんね。

年金事務所から伝えられるものが、ほとんど正しいと思うけど、中には自分で気づいて申告しないといけない場合があったりするよ。
わたしも年金ではないけど、以前、知らずに放置していた給付金があったから、なにごとも知っておくことは重要だね。