FP倫理と関連法規 過去問

基礎編の問1では、6つの係数が出題されることが多いですが、それに次いで多いのが
「FP倫理と関連法規」の問題です。占有業務や具体的に「〇〇士に〇〇はできますか?」」と問われることがあります。
また、〇×を問われる問題だけでなく、問題文が3~4個与えられ、適切なものの個数を答える問題も出題されることがあります。
「基礎編攻略スタート」でも述べましたが、いくつあるか?と個数を答える問題は難問が多いです。他の選択肢がわかっていても、わからない1問のせいで選択する個数が違ってくるからです。
今回は過去問を3回分、紹介し、私なりの解説を行います。
《問1》 ファイナンシャル・プランニングを業として行ううえでの関連法規に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問における独占業務とは、当該資格を有している者のみが行うことができる業務であるものとし、各関連法規において別段の定めがある場合等は考慮しないものとする。 1) 税理士法により、他人の求めに応じて業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。 2) 不動産の鑑定評価に関する法律により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う「不動産の鑑定評価」は、不動産鑑定士の独占業務である。 3) 社会保険労務士法により、他人の求めに応じて報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「帳簿書類の作成」「労使紛争に関する訴訟手続の代理」は、社会保険労務士の独占業務である。 4) 司法書士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有償・無償を問わず、司法書士の独占業務である。 |
出所: 一般社団法人 金融財政事情研究会1級 学科試験<基礎編>
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3) 社会保険労務士は「労使紛争に関する訴訟手続の代理」はできません。
「訴訟手続の代理」ができるのは弁護士です。
正解3
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2023年5月28日 問1
《問1》 ファイナンシャル・プランニングを業として行ううえでの関連法規に関する次の記述のうち、関連法規に抵触するものはいくつあるか。なお、各関連法規において別段の定めがある場合等は考慮しないものとする。 (a) ファイナンシャル・プランナーのAさんは、官公庁が作成した転載を禁止する旨の表示がない広報資料をインターネットで入手し、その許諾を得ることなく、自身が開催した資産運用に関するセミナーのレジュメで出典を明記して使用した。 (b) 税理士の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーのBさんは、顧客から配偶者控除と配偶者特別控除の適用要件を聞かれ、無償で所得税法の条文等を示しながら一般的な解説をした。 (c) 弁護士の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーのCさんは、ひとり暮らしの高齢の顧客からの依頼により、任意後見契約を公正証書で締結した。 1) 1つ 2) 2つ 3) 3つ 4) 0(なし) |
出所: 一般社団法人 金融財政事情研究会1級 学科試験<基礎編>
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これらはすべて、関連法規に抵触しません。(a)は官公庁の資料であり、出典も記載していることからOK、(b)は一般的な解説ということからOK、(c)は任意後見契約を締結するのに資格は必要ありません。
正解 4
一般社団法人 金融財政事情研究会1級 学科試験<基礎編>
《問1》 ファイナンシャル・プランニングを業として行ううえでの関連法規に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、本問における独占業務とは、当該資格を有している者のみが行うことができる業務であるものとし、各関連法規において別段の定めがある場合等は考慮しないものとする。 (a) 社会保険労務士法により、他人の求めに応じて、報酬を得て業として行う事務であって、労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続の代行」「申請等の代理」「年金額の試算」は、社会保険労務士の独占業務である。 (b) 土地家屋調査士法により、不動産の権利に関する登記について、他人の依頼を受けて業として行う「登記に関する手続の代理」「法務局に提出する書類の作成」は、有償・無償を問わず、土地家屋調査士の独占業務である。 (c) 税理士法により、他人の求めに応じて、業として行う「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」は、有償・無償を問わず、税理士の独占業務である。 1) 1つ 2) 2つ 3) 3つ 4) 0(なし) |
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(a)社会保険労務士以外でも「年金額の試算」は可能
(b)土地家屋調査士法により、不動産の権利に関する登記ではなく、不動産の表示に関する登記
表題部→土地家屋調査士、
(c)はOK
正解1

ジャンルを問わずいくつあるか?という問題には苦しめられるね。全部の選択肢が自信をもって答えられないもんね。

過去問を解いていると、明らかに〇×が判断できるものはあるよ。司法書士と土地家屋調査士が表題部、権利部の登記が逆になっていたり、社労士の占有業務に年金の試算が入っていたりね。やはり過去問を繰り返すことが重要だね。