学科試験得点のため、あえて実技試験を見てみるPart1
1月25日にFP1級受験生は最後の追い込みをしている頃だと思います。
今日、記事にするのは、この時期にあえて実技試験の問題を読んでみてはいかがかという提案です。
なぜ実技試験なのか
Part2の記事を読んでいただいた方は読み飛ばしていただいても結構です。
Part1については基礎編の問50が相続・事業承継の内容と合致する出題が多かったため、問50を正解して、気分良く昼休みを過ごすことができたことが精神的にも大きかったです。
学科試験のみを勉強している時には、基礎編の最後の方に遺留分の民法特例や事業承継税制が出題され、決まって失点していたのですが、実技試験の勉強を始めてから基礎編の後半部分が得点源になりました。
応用編についても、類似業種批准法や小規模宅地の特例、相続税の計算がどんな場面で使われるのかイメージしにくかったのが解消されました。
今の勉強法が上手くいっている人は、この提案は無視していただいてもいいと思いますが、
私の経験上、実技試験を読むようになって学科試験の得点につながった部分があったので、参考までに記事にすることにしました。
一般社団法人金融財政事情研究会のHPを見ると過去問として2022年6月実施の実技試験からPart1(相続・事業承継中心)、Part2(不動産中心)の事例がそれぞれ43問づつ掲載されています。
内容が多いのでPart2、Part1と2回に分けて記事にします。
今回はPart1についての説明です。
Part2とは違い、問題文の最後に検討のポイントとして
●設例の顧客の相談内容および問題点として、どのようなことが考えられるか。
●それらの相談内容および問題点を解決するために、どのような提案・方策が考えられるか。
●それらの方策(解決策)のなかで、何を顧客に提案するか。その理由・留意点は何か。
●FPと職業倫理について、どのようなことが考えられるか
という記載があります。
相談内容および問題点は本文中から読み取る必要があります。
この直前期に全て目を通すのは辛いと思いますし、貴重な時間を失うことになってはいけないと思い、私が読み取れる範囲で、Part1の要点とキーワードを記載しようと思います。
受験生の方には気になるキーワードがある日の問題文を読んで、事前に調べることで、学科試験の参考にしていただきたいと思います。
Part1(相続・事業承継中心)
Part2と違い、私が独自に抜き出した論点であるため抜けている論点があるかもしれませんが、ご容赦ください。 出所:一般社団法人金融財政事情研究会です。
| 日付 | 相談内容および問題点 | |||||||
| 2022.6.4 | 出資持分の相続税対策や持分のない医療法人への移行 第三者への承継やM&Aによる持分の譲渡 | |||||||
| 2022.6.5 | M&Aの破断と事業承継の選択肢見直し | |||||||
| 2022.6.11 | 配偶者に自宅を生前贈与すれば、相続税の軽減になるらしい」との話 一時払終身保険を相続対策に活用すること 建築資金を負担し、その敷地内に長男Cさん家族のための新居 不動産貸付業の長男Cへの事業承継 | |||||||
| 2022.6.12 | 事業の長男への承継と株式の移転、その際に弟の株式の移転も行う。 遊休地の長女への移転 | |||||||
| 2022.9.24 | 父親、母親の相続が立て続けに発生 法定相続情報証明制度の説明 自筆証書遺言書の取り扱い 両親の自宅・敷地の売却 | |||||||
| 2022.9.25 | 本社(土地・建物)の買い替え 事業承継税制の活用した弟への事業移転 妹の株式も弟に集約する | |||||||
| 2022.10.1 | 会社の土地に倉庫建築を検討 労働力不足で従業員が75名→70名以下に減少の見込み 勇退後も社宅に住み続けたい 子への相続の不均衡 経営者への借り入れが未完済 | |||||||
| 2022.10.2 | 事業の甥への承継 娘に相応の資産を残したい 実家の共有状態の解消 土地の持分と株式を交換することの問題点 | |||||||
| 2023.2.4 | 経過措置型医療法人の承継と弟からの出資持分の払い戻し要求 出資持分の払い戻しリスク 米国在住で非居住者である長女の相続税の負担 | |||||||
| 2023.2.5 | 不動産賃貸業の法人化による所得の分散 不動産収入の2人の子への均等な配分 | |||||||
| 2023.2.11 | 事業承継税制を受けた株式についてM&Aの申し出を受けた場合 二世帯住宅の建物の一部を長男名義にしたい 米国籍を取得している長女への遺産分割準備 | |||||||
| 2023.2.12 | 事業の甥への承継 経営者保証 事業承継税制の活用とM&Aの関係 NISA制度の拡充内容 | |||||||
| 2023.6.10 | 株式の暦年贈与への不安 弟の株式30%の買取り 長女の教育費への援助 NISA制度の拡充内容 土地の無償返還に関する届出書 | |||||||
| 2023.6.11 | 子供たちへの相続対策 不動産管理会社を不動産対策に活用できないか | |||||||
| 2023.6.17 | 不動産を活用した相続対策 法人を設立して相続対策 2人の子が賃料収入を得られるようにしたい | |||||||
| 2023.6.18 | 株式保有特定会社のため、株式評価額が高額 M&A仲介会社への対応 | |||||||
| 2023.9.23 | 創業者2人の子息への事業承継 M&Aの検討 iDeCo+の導入検討 | |||||||
| 2023.9.24 | 経営者急逝に際して株式移転、後継者選任の手続き 子供達への円満な遺産分割 教育資金贈与信託が相続財産に含まれるのか | |||||||
| 2023.9.30 | 批准要素1の会社の株価評価と避ける方法 M&Aの検討 | |||||||
| 2024.2.10 | ベンチャー企業に出資を求められることが多い マンションの相続税評価方法が改正されたこと | |||||||
| 2024.2.11 | 事業承継税制の活用で甥への株式譲渡 甥が事業承継できる株式以外は金庫株を利用して子供達への贈与に充てたい 遺留分に関する民法特例の検討 | |||||||
| 2024.2.17 | 株式の承継と名義株の取り扱い 株式移転の際の株価評価の方法と引き下げの検討 経営に関与していない妻に事業用資産を相続させることの問題点 | |||||||
| 2024.2.18 | 20年前に作成した自筆証書遺言書について内容通り分割しなければならないか、変更した場合の相続税の増減 | |||||||
| 2024.6.8 | 急逝した経営者の事業移転 円満な遺産相続 小規模宅地の特例の検討 | |||||||
| 2024.6.9 | タワーマンションの購入に興味を持っている 子息にNISAでの資産形成を勧めたい 一時払終身保険を活用した相続対策 | |||||||
| 2024.6.15 | 個人事業の法人化の検討 テナントビル経営を個人、法人どちらで運営するのがいいかの検討 長女の分譲マンション購入資金の援助 保有する株式の買取の申し出 | |||||||
| 2024.6.16 | 前妻との子供達に相続させないことはできるのか 国が不動産を引き取ってくれる制度の詳細 娘の住宅建築資金を援助したい | |||||||
| 2024.9.21 | 被相続人が兄から相続した不動産、金の申告を相続人をどう申告するか 被相続人の入院費用支払いをどう扱うか 舞台役者の娘のインボイス登録 | |||||||
| 2024.9.22 | 居住用マンションの相続税評価額の評価方法 相続対策として110万円以内で贈与していること ストックオプション | |||||||
| 2024.9.28 | 子への事業承継 M&Aの基礎知識について 土地を息子に無償で使用させている NISAを勧めたい | |||||||
| 2024.9.29 | 認定医療法人が持分放棄前に相続が発生した場合 長男との二世帯住宅 ジュニアNISA口座内にある投資信託をいつまで非課税で保有することができるのか | |||||||
| 2025.2.8 | 日経平均株価が乱高下したことが、自社の株価にも影響があるのか 自宅を長男に贈与し、その自宅の住宅ローンも長男Cさんに引き継ぎたい 新たに購入する自宅を贈与税の配偶者控除を活用することで妻名義にしたい 養老保険について、契約者(=保険料負担者)および満期保険金受取人を長女に変更する場合の課税上のアドバイス 相続財産が偏ってしまう点 | |||||||
| 2025.2.9 | 創業メンバーEの株式を相続人への売渡請求 創業メンバーFの株式の買い取りの打診 次男への事業承継に際して、長男への遺産分割対策 | |||||||
| 2025.2.15 | 株式の評価方法 自社株評価における100%子会社の影響 株式の評価が取引の種類や相手によって評価額がどう変わるか 養老保険(ハーフタックス・プラン) | |||||||
| 2025.2.16 | 消費税非課税事業者が取引先からインボイスを求められた時の対応 郊外にある賃貸アパートを、更地にして青空駐車場にすることの是非 毎年110万円を孫たちに贈与し続けることの注意点 生命保険について受取人を妻から変更することの注意点 | |||||||
| 2025.6.7 | 高額な贈与税をかけずに長男への事業承継をする方法 個人所有の土地を法人に売却すること 娘への教育資金の援助 | |||||||
| 2025.6.8 | 不動産管理会社においてサブリース方式・不動産保有方式の違い 父と母の相続が立て続けに発生したことについての税務 事業用定期借地権契約を解約して貸付土地を譲渡できるのか | |||||||
| 2025.6.14 | 社長交代に至るまでのキャリアパスとX社株式の移転 法人版事業承継税制の特例措置の適用を受けるかどうか 相続・事業承継に絡めて、銀行をはじめ、保険会社、証券会社、不動産会社、リース会社等からさまざまな商品の提案を受けていることの対応 | |||||||
| 2025.6.15 | 母Bさんの自宅の持分を妹Dさんに代償財産として交付する際の課税関係 賃貸アパート(母2分の1所有)の家賃収入の課税関係 相続関係の手続きや必要書類等 | |||||||
| 2025.9.27 | X社株式の承継方法 配当をゼロにすることの株価への影響 円満な遺産分割 | |||||||
| 2025.9.28 | 逝去後の事業承継 兄弟間の相続財産の偏り 妻が多く相続すると子供たちの相続税負担が増すことへの不安 | |||||||
| 2025.10.4 | 法定相続人でないDさん(妻の前夫との子)への相続 Dさん(妻の前夫との子)が自宅に住み続ける方法 110万円の暦年課税の継続の問題点 | |||||||
| 2025.10.5 | 75歳までには長男に事業承継に目途をつけたいと考えている 長女に相応の財産を残したい 人材確保・育成のための「福利厚生プラン」の検討 | |||||||
どの事例にも共通する問題点
学科試験ではあまり意識する必要は無いかもしれませんが
Part1共通の問題点が3つあります
・相続税対策
・納税資金の準備
・円満な遺産分割
相続対策の問題ですが、FPの性質上、納税資金の準備というのが中心的な問題になります。
また相続対策としては、計画的な生前贈与、制度の活用などで相続税を軽減するアイデアの提供がFPには求められると思います。
学科試験で狙われそうな論点
これは私の個人的な考えですが、まだ学科であまり出題されていないというもので、出題されそうな点を3つ挙げます。(完全に個人的な見解です)
・医療の事業承継(持ち分ありから持ち分なしへ)
・批准要素1の株式評価
・タワマン課税
この記事を読んでいただいている方の合格を心より祈念します。

